「父が亡くなる前から、兄が父の預貯金や財産を管理していた」
「相続財産について尋ねても、一部の相続人が詳しく教えてくれない」
「生前に多額のお金が引き出されているが、何に使われたのかわからない」
「自分の知らないところで、一部の相続人だけが多く財産を受け取っているのではないか」
相続が発生した際、このような疑問や不安を抱える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
特に、亡くなった方の財産を一部の相続人が長年管理していた場合、ほかの相続人には、どこに・どのくらいの財産があるのかわからないことがあります。
一部の相続人から「遺産はこれだけ」と説明されたとしても、財産の内容に疑問がある場合には、そのまま遺産分割を進めるのではなく、まず相続財産の全体像を確認することが大切です。
この記事では、一部の相続人が偏った相続をしているのではないかと感じた場合に、どのような点を確認すればよいのか、相続財産の調査方法や弁護士に相談・依頼するメリットについて解説します。
まずは相続財産の全体像を確認する
遺産分割を進めるためには、前提として「亡くなった方にどのような財産があったのか」を把握する必要があります。
相続財産には、預貯金や現金だけでなく、不動産、株式などの有価証券をはじめ、さまざまなものがあります。また、借金などの負債についても確認が必要です。
一部の相続人が亡くなった方の財産を管理していた場合には、まずその相続人に財産の内容を確認することも一つの方法です。
しかし、説明された財産が本当にすべてなのか疑問がある場合や、十分な説明を受けられない場合には、客観的な資料を確認しながら調査する必要があります。
預貯金の取引履歴などを確認する
相続財産を調査するうえで重要な資料の一つが、預貯金の取引履歴です。
たとえば、亡くなる前に預貯金から多額のお金が引き出されている場合には、そのお金が何に使われたのかを確認する必要があります。
また、亡くなった方が生前に不動産や有価証券を売却していたのであれば、その代金がどこに入金され、その後どのように使われたのかを確認することも考えられます。
ただし、預金から多額の引き出しがあるからといって、直ちに一部の相続人が取得したとは限りません。生活費や医療費、施設費など、亡くなった方のために使用されている可能性もあります。
そのため、引き出された時期や金額だけで判断するのではなく、財産を管理していた相続人に使途を確認し、領収書などの資料や当時の状況と照らし合わせながら整理することが大切です。
預貯金以外の財産についても調査する
確認が必要なのは預貯金だけではありません。
不動産、株式などの有価証券、生命保険などについても確認しておきましょう。
亡くなった方が賃貸物件を所有していた場合には、不動産そのものだけでなく、賃料がどの口座に入金されているのかについても確認する必要があります。
また、金融機関の貸金庫を利用していた場合には、その中に重要書類などが保管されている可能性もあります。
貸金庫を開けるために必要となる手続きは金融機関によって異なるため、利用していた金融機関へ確認しましょう。
弁護士に依頼することで財産調査を進めやすくなる場合も
「どの金融機関に預貯金があるのかわからない」
「財産を管理していた相続人が詳しく教えてくれない」
など、ご自身だけでは相続財産の調査が難しい場合もあります。
このような場合、弁護士に相談・依頼することで、これまでの経緯や手元に残されている資料などを確認し、どのような財産を調査する必要があるのか、どのような方法で確認できるのかを整理することができます。
事案に応じて必要な資料を取り寄せたり、財産を管理していた相続人に財産の内容や預貯金の使途について説明を求めたりするなど、調査を進めることも考えられます。
たとえば、預貯金の取引履歴から生前に多額の引き出しが確認された場合には、その時期や金額、使途などを整理し、遺産分割にあたって検討すべき事情がないか確認していきます。
ただし、弁護士に依頼すれば、亡くなった方が所有していたすべての財産を必ず把握できるわけではありません。
調査できる範囲や方法は、残されている資料や具体的な状況などによって異なります。
「何から調べればよいかわからない」
「ほかの相続人から十分な説明を受けられない」
といった場合には、早めに弁護士へ相談することも一つの方法です。
遺言書や生前贈与がないかも確認する
一部の相続人が多くの財産を取得しているように見えても、それだけで直ちに不適切な相続が行われているとは限りません。
亡くなった方が遺言書を作成していたり、生前に特定の相続人へ財産を贈与していたりする場合もあります。
一方、遺言書によって特定の相続人に多くの財産を相続させる内容になっている場合には、相続人の関係などによって「遺留分」が問題になることがあります。
生前贈与についても、その内容や時期などによって、遺産分割や遺留分との関係で検討が必要となる場合があります。
そのため、単純に「一人だけ多く受け取っているから不公平」と判断するのではなく、遺言書の有無や生前の財産移動なども含めて確認することが重要です。
相続人同士で話し合いがまとまらない場合は?
相続財産の内容を確認した後は、その財産を誰がどのように取得するのか、相続人同士で遺産分割協議を行います。
しかし、一部の相続人が財産について十分に説明してくれない場合や、遺産の分け方について意見が対立している場合には、当事者同士で話し合いを進めることが難しいケースもあります。
そのような場合には、弁護士を代理人として相手方との交渉を進める方法があります。
話し合いによる解決が難しい場合には、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることも選択肢となります。
大分市・別府市・杵築市で相続についてお悩みの方へ
相続財産の調査では、預貯金、不動産、有価証券など確認すべきものが多く、ご自身だけではどこから調べればよいのかわからないこともあります。
特に、一部の相続人が亡くなった方の財産を管理していた場合や、財産について十分な説明を受けられない場合には、そのまま遺産分割を進めるのではなく、まず状況を整理することが大切です。
弁護士法人古庄総合法律事務所では、遺産分割や相続財産の調査をはじめとする相続に関するご相談に対応しています。
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